自分を変える【アダルトチルドレン克服】
前回の記事では、自分の感情を感じ取り、自分がどうしたいか理解する方法について書きました。
今回は、自分の本心を理解した私が、自分自身をどのように変えていったか、について書きたいと思います。
私は、「毒になる親 [ スーザン・フォワード ]」という本を読み、その本に出てくる質問やワークをこなしながらひとつひとつ自分の感情を取り戻していきました。
私は、機能不全の家族に育てられ、間違った考え方と、行動の癖をつけてしまっていたことを理解しました。
どのように間違った考え方と、行動の癖を直せばいいのでしょうか。
結論を先に言うと、正しい考え方と行動について知り、繰り返し練習し、勇気をもって実践すること、が正解でした。
しかし、そんなことが書いてある教科書はなかなかありません。
勉強やスポーツであれば教科書や教本がたくさん存在します。
そもそも、勉強やスポーツであれば練習すれば上達する、という考えが頭の中にあるんですが、自分の考え方や行動が練習によって上達する、なんて考えたことがありませんでした。
なので最初はかなり手探りな方法でした。
例えばどんな方法かというと、まず私は例のごとく自分の感情とどうなりたいかを紙に書きだしました。そして、それに加えて今行っている間違っているであろう行動と、正しい行動も紙に書くことにしました。
例えば、飲み会で全く楽しめなかったことについて、
「私は飲み会でうまく話せなくてさみしい思いをした。みんなと仲良くなりたいと思っている。」
といつものように書き出します。そして今している行動を書きます。
「黙り込んでいる。話しかけられた時不機嫌な返事をしている。」
そしてまた考えます。
私はこの行動でみんなと仲良くなれるだろうか、と。
答えはNoです。
そして、自分にさらに問いかけます。
皆と仲良くするにはどうすればいいか、飲み会が少しでも楽しめるためにはどうすればいいか。
自分で考え、自分の案を紙に書きます。
「話に入れない時は少しでも楽しむために美味しそうな食べ物があればそれを食べよう。話しかけられた時は笑顔で前向きな発言をしよう。」
こんな感じです。
正直気乗りはしません。
「なんで自分がそんなことしなきゃいけないんだ」とか、「そんなことやったって意味がない」とか否定的な言葉が反射的に頭によぎります。
ただ、ここで自分に負けないというのは難しいことですが、自覚することは大切だと思います。
「この思考は毒親から引き継いだ私を不幸にする考え方だ」と。
ただ、おそらく何度やってもこの思考に引き戻されてくるでしょう。
癖とはそういうものです。
思い立って、飲み会で実践しても一回でうまくいくわけではありません。
私も案を思いついて、気乗りした時は飲み会で実践するのですが、最初の方はそう行動できたとしても、だんだんだんだん疎外感を感じ、勝手に気持ちが暗い気持ちになっていき、最終的にさみしい思いをして帰ってきたことが何度も何度もあります。
そのたびに、「どうせ無理だ」、「私にはできっこない」、と何度も何度も同じ思考と行動パターンに引き戻されます。
行動を変えるというのはかなり大変なことです。
例えば「ダイエットをする」と宣言して成功する人がどれだけいるでしょうか。
それは不可能なことではないにも関わらず、成功するケースよりも失敗するケースの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
それは、太る生活習慣が癖になっているからです。
仮に一回瘦せたとしても多くの人がリバウンドをしてしまいます。
癖、とはそれほどまでに強い力を持っています。
毒親から引き継いだ考え方と行動についても同じことが言えます。
何度も何度も同じ場所に引き戻されてしまうのです。
なぜかというと、損をしているにもかかわらずその場所が自分にとって楽だからです。
太っている人もそうです。適切な体重である方が健康面で良いと理解していても、元の生活に戻ってしまうのです。
だから、多くの人は何度も何度も同じところに引き戻されてしまうのです。
ただし、これだけは理解しておいてください。
変わることは不可能なことではないのです。
太った人が痩せることは不可能でしょうか?
おそらく多くの人が「No」と答えるでしょう。
同じです、人の考え方と行動は変えることができます。
きちんと痩せてその体形を維持できている人がいるように、考え方と行動も直すことができます。
それだけは信じていてください。
私は何度も何度も同じ場所に引き戻されました。
そのたび絶望して打ちひしがれていました。
けれども、それでも何度も何度もチャレンジすると、変化が現れてきます。
飲み会の話で言うならば、楽しむようにすること、思っていなくても前向きな言葉を使うこと、なるべく笑顔でいること、
これらは獲得するのに時間はかかりましたが、こういったことを繰り返していくことで少しずつ飲み会が嫌ではなくなってきました。
「あ、こうすればいいんだ」
ということが少しずつ分かるようになってきます。
これは、私が自分を変えた1例に過ぎませんが、他にもいろいろな部分を同じ方法で変えていきました。
おそらく、その具体例の一つ一つが私と同じように苦しんでいる方の少しでも役に立つのではないかと思いますので、次回以降そういった具体例をいくつか記事にしていきたいと思います。