毒親に育てられた子供が幸せな家庭を築くまで

私はいわゆる毒親に育てられた子どもです。その影響から長い間辛い人生を歩んできました。けれど、そんな私も結婚し、負の連鎖を起こすことはしないと決意しました。現在では妻と長男と幸せな家庭を築いています。私の経験が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

嫉妬心を克服する【アダルトチルドレン克服】

前回の記事で、私がどのように自分の感情を感じ、自分の行動を変えることができたかという話をしましたが、

 

neko-chigura.hatenablog.com

 

考え方と行動の修正については、長い時間をかけて何度も何度も行ったことでしたので、その具体例を今後いくつか書いていきたいと思います。

 

今回書くのは嫉妬心についてです。

 

私は長い間強烈な嫉妬心に悩まされてきました。

 

今回は私が嫉妬心を克服したエピソードをひとつ紹介しようと思います。

 

私は今の妻と付き合っていた当時、かなりの嫉妬心を抱えていました。

 

それは、自分は今までやりたいことを親から奪われ、人間関係もうまくいかず、友達も少なく、仕事もうまくいかない、という劣等感からでした。

 

劣等感自体は誰しも抱えていることだと思いますが、特に私の場合被害者意識が強かったものですから、その強烈な嫉妬心をコントロールすることは困難なことでした。

 

嫉妬心だけが原因ではありませんが、今まで付き合ってきた女性とも、自分の中の負の感情をコントロールすることができずうまくいきませんでした。

 

付き合い始めは良いのですが、そこから関係が深まるどころか、相手への不満が溜まり、非難の目で見るようになり、気持ちが冷めていき、絶縁状態になって別れる、といった感じでした。

 

そんな私でしたが、妻と結婚するまでの間に嫉妬心を克服しました。

 

どのように克服したか、についてですが、

 

まず、モチベーションが大きかったと思います。

 

今まで付き合った女性が決して魅力的ではなかった訳では無いのですが、

 

妻について、私は運良く付き合うことができたので、どうしてもこの人と結婚したいと考えておりました。

 

なので、『この人との関係だけは絶対に壊したく無い』と強く思っており、そのために自分が何としてでも変わろうと、と確固たる決意を持っていました。

 

そして私は自分の負の感情と向き合うことにしました。

 

まず、私は自分の持つ劣等感から、

 

妻が卒なく人間関係や仕事をこなしてるいることに強烈に嫉妬していました。

 

また、妻が仕事の同僚と楽しく集まっていること、そしてその中に男性がいること、

 

これらの事実は私の嫉妬心を強烈に燃やし、私を苦しめました。

 

私は嫉妬心が爆発しないよう抑え、例の如く紙に書き出しました。

 

私はどのように感じていて、どうなりたいのか。

 

今でもハッキリと覚えているのですが、私がその時抱いていた感情は、

 

『私は彼女がうまくいっているのがたまらなく羨ましい、自分はそうなれないのが辛い、楽しく友達と集まっているのが辛い、いつか他の男に取られてしまうのではないかと思う。

いっそ彼女が人間関係も仕事うまくいかなくなって、私無しでは生きていけなくなってほしい。』

 

当時私は20代後半だったと思いますが、こんな感じの内容を紙に書きました。

 

これが私の望んでいたことです。

 

何をバカなことをと思うかもしれませんが、私にとって相手が不幸になってくれることが、私が相手と安心して一緒にいられる方法だと考えていたのです。

 

そして、『毒になる親』を読み、私が自分と向き合うまではこういったことを、心の奥底にしまい込み、社会生活を送っていました。

 

これではうまくいくはずがありません。

 

紙に気持ちを書き出す習慣がついたことから、私は自分のこうした気持ちに気付くことができました。

 

そして、考えます。

 

これで、うまくいくだろうか?

 

これは、自分の望む結果を生むだろうか?

 

答えはNOです。

 

私にとって発見だったのは、私のこの感情と考えを紙に書き出した結果、私のしようとしている考えと行動は私の望む結果とは正反対の結果を生むであろう、ということです。

 

これがいわゆる自滅的行動というやつでしょう。

 

私はどうしたらいいか考えました。

 

思い付いた案は、

 

『笑顔で彼女を送り出す』

 

ということでした。

 

もしかしたら他の男に奪われてしまうかもしれないけれど、彼女とうまくいく確率を上げる方法は、この方法だろう、という答えを出しました。

 

ただ、この答えが出ればそれでオッケーかというと、話しはそんな簡単ではありません。

 

その案が出ても、その行動ができる気がしないのです。

 

嫉妬心や不安、捨てられるかもしれないという恐怖がその行動を実行することをものすごく困難にしているのです。

 

とても言える気がしません。

 

とても笑顔でいれる気がしません。

 

でも、そうしなければより悪い結果を引き寄せるであろうことは分かります。

 

私にとって必要だったのは勇気でした。

 

今ならもう少し段階を踏むことができるかもしれません。

 

仲間に相談して、ロープレをして、どういう言動がどういう気持ちを産むかを練習できたかもしれません。

 

ただ、当時は違います。

 

そんな練習相手もいなければ、ノウハウもありません。

 

ぶっつけ本番でやるか、やらないか、の世界でした。

 

この気持ちを伝えることは難しいのですが、本当に崖から飛び降りるような気持ちでこの行動を実行したことを覚えています。

 

えいや!とか、ままよ!とか、

 

本当にそんな感じです。

 

不自然だろうがカッコ悪かろうが構わない、なりふり構わずやります。

 

そうしないと自分の不安や恐怖は拭えません。

 

とにかく勇気です。

 

そして、私は当時の彼女が友達と遊びに行くのを、同僚の集まりに行くのを、

 

『行っておいで、遅くなってもいいから、ゆっくり楽しんできてね』

 

と送り出すようになりました。

 

すると、彼女との関係がうまくいったことはもちろんですが、私自身にも変化が訪れました。

 

私自身が自分に自信を持てるようになったのです。

 

それは多少ですが、確実な変化でした。

 

一度その行動ができるようになってからは、次の行動をすることは難しくありませんでした。

 

私は嫉妬心に負けず、彼女を容易に送り出せるようになりました。

 

そして、そのことは私と彼女の関係をより良好なものにしました。

 

私は自分を自滅させる行動を変え、自分が得する行動を獲得したのです。

 

一度獲得してメリットがある、と分かるとその行動を習慣にすることは難しくありせん。

 

こうして、私は自分の嫉妬心を克服しました。