コントロールされる仕組みを知ろう【アダルトチルドレン克服】
私たちはアダルトチルドレンは、毒親に支配された結果、大人になってから多くの心の問題に悩み、苦しみます。
私たちが自分がどのように毒親に支配され、どのようにして自分の内面に問題を抱えるようになったのか、その仕組みを理解することは、私たちが今後どのように自分の問題を認識し、その問題について対処していけばいいかを理解する上で手助けとなります。
今回は、毒親が子供を支配するまでの仕組みについて紹介したいと思います。
目次
- 毒親の典型的なコントロールパターンについて理解する
- 毒親に子供がコントロールされるまでー真実をねじ曲げるー
- 毒親に子供がコントロールされるまでー有害な環境に長期間晒されることで子供の成長を阻害するー
- 毒親に子供がコントロールされるまでー内面化した親として永遠に子供を支配するー
- 負の連鎖を止めるためには、責任をあるべき場所へ返そう
- 最後に、信頼できる知識と情報を得て自分自身と向き合おう
毒親の典型的なコントロールパターンについて理解する
当然のことですが、毒親にはその問題の原因となる問題行動があります。例えば「暴力を振るう」、「無視をする」、「暴言を浴びせる」といった行動のことです。
ただし、問題行動自体については健全な親でも見られます。毒親が子供を支配するまでにはその後いくつかの段階を経るのですが、その点については後述しようと思います。
まずは、毒親が子供をコントロールするパターンについて紹介したいと思います。この点について、
不幸にする親 人生を奪われる子供 [ ダン・ニューハース ]
によると、毒親が子供をコントロール、典型的な12の手口が下記の通り書かれています。
また、本書には典型的な12のコントロール手口に加え、具体例及びその結果子供に起きる可能性のある問題について書かれています。
今回は、私の母親に該当する「10.子供の幸せを取り上げてしまう。」について取り上げてみようと思います。
手口
「10.子供の幸せを取り上げてしまう。」
具体例
・気に入らないことがあると愛情を引っ込めてしまう
・温かさや励ましを与えない
・「守られている」という気持ちや、「家族の一員である」という安心感を与えない。
その結果、子供に起きる可能性
・自分は愛されるに値しないと感じる
・依存心が増す
・期待を持たなくなる
・「ひどい扱いでも受け入れよう」という意識が増す
・うつと不安症候群の危険性が高まる
この内容は私にも当てはまっています。
なぜ自分の親が行ったコントロールと、今自分に起きている問題の関連性について理解することが重要かと言うと、アダルトチルドレンはこの因果関係について理解していないことが多いからです。
「親のことを悪く言ってはいけない」であるとか、「それは自分の原因だから」とか、そういった考えや罪悪感が頭の中にあり、親の問題行動と自分に起きている問題を結びつけて考えることができないのです。ちなみに、なぜこのような考えになってしまうのかについては後述します。
毒親に子供がコントロールされるまでー真実をねじ曲げるー
上述した話ですが、健全な親であっても問題行動は起こします。ただ、その後毒親になる人とそうでない人の違いは、自分が問題行動を起こした後にあります。それは毒親は自分に都合よく「真実をねじ曲げる」という点です。
この点について、
不幸にする親 人生を奪われる子供 [ ダン・ニューハース ]
には次のようにあります。
「子供を精神的に虐待する親は、高利貸しが『お金』を使うのと同じように『罪悪感』を使う。高利貸しは借り手が完済することを望まない。全額返済されないかぎり、利息を永久に取り続けることができるからだ。それと同じように、子供を精神的に虐待する親は、子供に永久に罪悪感を持たせておこうとする。子供が罪悪感を持たなくなったら、コントロール力がなくなってしまうからだ」(p125)
『コントロールばかりする親が使う「12の手口」は、子供が自分の意思で物事の判断ができるようになる前に打ち込まれる、くさびのようなものです。こうして子供は、親を少しでも批判するようなことを考えただけで、親を裏切っているような気分にさせられてしまうのです。でも子供には、自分がなぜそういう気分になるのかがよくわかりません。』(p125)
つまり、健全な親であれば自分が問題行動を取ってしまったとしてもそれを自覚し、その問題行動を修正するなり、子供に理由を説明して子供に謝るなりすることで健全な関係を保つことができます。
毒親の場合は違います。毒親の場合は、自分が起こした問題行動の責任を子供に転換することで問題を解消しようとします。そしてそれは子供が自分で物事を判断できるようになる前に行われます。そうすることで子供は親の問題行動に対して「自分が悪い」という思い込みを持つようになります。これがコントロールの始まりです。
毒親に子供がコントロールされるまでー有害な環境に長期間晒されることで子供の成長を阻害するー
毒親の支配は長期間に渡って続きます。長期間そういった環境に置かれた子供は様々な問題を抱えるようになります。
不幸にする親 人生を奪われる子供 [ ダン・ニューハース ]
には次のようにあります。
- 子供時代に親からののしられたり、必要な世話をされなかったり、愛情を取り上げられたりしていると、自己像がゆがむ。
- 自己像がゆがんでいると、自分を表現する気が起きない。
- 自分を表現しないと外部の人との結びつきが持てずに孤立し、その結果、有害な親への依存度がますます高まる。
- コントロールばかりする親への依存度が強ければ強いほど、他人との間に健康的な境界を持つことができなくなる。(p134)
こうして子供の健全な発達が阻害され、子供自身が内面に問題を抱えてしまうようになります。それが今大人になって苦しんでいる私たちの姿であると言えます。
毒親に子供がコントロールされるまでー内面化した親として永遠に子供を支配するー
毒親に育てられた子供は、大人になって、物理的に毒親から離れた後も毒親からの支配に苦しみ続けます。それはなぜでしょうか。
不幸にする親 人生を奪われる子供 [ ダン・ニューハース ]
によると、
『私たちはだれでも、2種類の親を持っています。実在する人間の親と、心のなかに住む「イメージの親」です。(p116)
『心のなかに住みついてあなたをコントロールしている親は、まるで肉体のない幽霊のようにあなたの内部を歩き回り、心に混乱と破壊をもたらします。おそらくあなたは、目の前にいない親の姿が目に浮かび、生々しく声を聞くことができるでしょう。それが心のなかに内面化された親です。』(p116)
とあります。
つまり、直接的に対峙する親だけではなく、私たちの内面には心の中に住む「イメージの親」が形成されてしまっており、親と離れた後もその「内面化された親」が永遠に私たちを支配し続ける、ということです。
こうして毒親に育てられた子供もまた、自身の中に問題を抱え込むようになり、大人になってから自分の親と同じような問題を自分も抱えてしまう、という構図になっています。これが毒親の連鎖が続く仕組みです。
ですので、以前の記事でも述べましたが、毒親であった自分の親もまた、この負の連鎖によって自分の健全な成長を絡め取られてしまっているのです。そうした負のサイクルの中に私たちアダルトチルドレンは存在しています。
負の連鎖を止めるためには、責任をあるべき場所へ返そう
私たちは「毒になる家系」という悲しいサイクルの中にいます。私たちも被害者ですが、私たちを被害者にした親もまたその被害者である、ということです。そして私の記事を読んでくださっている方々は、その負のサイクルを止めたいと思ってもがいているのではないでしょうか。
では、この負のサイクルを止めるにはどうすればいいか。道は長くて険しいですが、まず最初にすることは、「責任をあるべき所在へ返す」ということだと思います。それにはまず、「自分自身のために怒り、嘆き、悲しむこと。」そして「その責任を自分の親へしっかりと返す」ということが必要だと思います。
私たちは親から「罪悪感」というくさびを打ち込まれています。なので冒頭でも述べましたが、「親のことを悪く言うのは良くない」だとか「自分がいけないから」だとか、そういった考えが頭をよぎるかもしれません。親もまた被害者であった、という事実を知って、被害者である親を責めるのはかわいそうだ、と思うかもしれません。
けれども、本当に自分と自分の家族、自分の親、自分の家系を救いたいと思うのであれば、それをしなければなりません。
最後に、信頼できる知識と情報を得て自分自身と向き合おう
この記事を読んでくださった方の中には、今既に自分自身と向き合って毒親に立ち向かっている方やその決心がついた方がいらっしゃるかもしれません。
けれども、「決心はついたけれども一体何をどうしていいか皆目検討がつかない」と感じてらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では「毒親」という言葉が有名になり、ネットや書籍でたくさんの情報が得られるようになりました。このサイトもその中のひとつでしょう。
何が正しい情報なのかを見極めるのはすごく難しいことだと思います。私自身、何が正しいかなんて正直分かっていないと思います。誰かにとって効果がある情報でも、他の誰かにとってはあまり効果的ではないものだってあります。
ただ、世の中には人の弱みにつけ込んで、それを悪用しようとする類の人もいます。なので、情報の取捨選択には気をつけていただきたいと思います。
信頼できる人や書籍、場合によってはネット、に出会うことは自分の回復を早めるための最善の手段だと考えています。
匿名のブログで私のことを信頼してください、というのには少し無理があるかもしれませんが、このサイトでは私自身の体験から、私自身が効果があったと感じるもの、信頼できると感じる書籍や情報を発信していきたいと考えております。
私と同じような苦しみを抱えている方の人生が、少しでも前に進むお手伝いができたら嬉しく思います。