毒親に育てられた子供が幸せな家庭を築くまで

私はいわゆる毒親に育てられた子どもです。その影響から長い間辛い人生を歩んできました。けれど、そんな私も結婚し、負の連鎖を起こすことはしないと決意しました。現在では妻と長男と幸せな家庭を築いています。私の経験が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

内面化された親に対抗する「行動面からのアプローチ」【アダルトチルドレン克服】

 前回の記事では、毒親に育てられた子どもが厳しすぎる「内面化された親」を持っていること、そしてそれが私たちの精神面に与える影響、および、内面化された親に対抗する方法を一部紹介しました。

 

neko-chigura.hatenablog.com

 今回は、「内面化された親」が与える行動面での影響とその対抗方法について説明したいと思います。

 

 

行動面での影響

 「内面化された親」の影響は単に精神面のみにとどまるものではありません。

 スーザン・フォワードの「毒になる親」の言葉を一部拝借すると『人間にはまずもとになる「考え」があり、つぎに人との関係による「感情」が生じ、その結果「行動」が起こ』ります。

 つまり、「内面化された親」により植え付けられた「考え」により、ある特定の「感情」が生じ、ある特定の「行動」が生み出されます。そして、概してその「行動」パターンは私たちを良い方向へは導かず、自分を悪い方へ導く自滅的な行動パターンとなります。

 スーザン・フォワードによるとこれらの「行動」のパターンは「服従」と「反逆」のふたつのカテゴリーに分けられると言います。つまり誰かに対して自分を犠牲にして過度に服従してしまうことや、逆に相手に過度に反発して結果的に自分が損をするような行動をどうしても取ってしまうような場合は、このパターンに当てはまると思われます。

 では、私たちがこういった自滅的な行動パターンを身に着けてしまったときにどのように自分の行動を改善すればよいでしょうか。

 

行動面からのアプローチ

 私が考えるアプローチ方法としては、前回の記事で説明した精神面からのアプローチに加え、行動面からのアプローチというものがあると思っています。

 スーザン・フォワードの言葉から「内面化された親」の問題は大きくふたつに分けられ、それはつまり、

  1.  特定の「考え方」や「感情」を持つこと。
  2.  その結果、特定の「行動」パターンが生まれること。

です。

 精神面からのアプローチは前者に対するアプローチであり、行動面からのアプローチは後者に対するアプローチということになります。

 行動面からのアプローチは、自分が陥っている自滅的な行動パターンについて理解し、考え方や感情を変えるのではなく、行動を変えるように働きかける、ということです。

 この点について、心理学者ウィリアム・ジェームズの有名な言葉に

『楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。』

とあります。

 自己啓発本などではよく出てくる言葉で、試したことが無い人は一度実践してみていただきたいのですが、例えばどこかへ遊びに行って、あまり楽しいと感じなかった時に、試しに嘘でもいいので笑ってたり、楽しそうに振舞ってください。コツは、思い切ってやることです。恥ずかしがって縮こまってしまうとうまくいきません。

 人間不思議なもので、楽しいふりをしているだけで気持ちが本当に楽しくなってくることがあります。毎回とは言いませんが、かなりの確率でなります。

 他にも、例えば仕事などで自信が無い時に、嘘でもいいので内心の不安を隠して自信があるふりをしてみてください。すると、かなりの確率でうまくいきます。

 そして、ふりがうまくなると、気持ちの方もふりに合わせて前向きになってきます。

 

私が嫉妬心を克服した例

 この行動面からのアプローチ方法について、個人的な体験なのでいち参考として捉えていただきたいのですが、私が嫉妬心を克服した時の経験を過去の記事で書きましたのでリンクを貼っておきます。

neko-chigura.hatenablog.com

変わるまでには長い時間がかかる

 厳しすぎる「内面化された親」とは私たちが機能不全の家族に育った結果、私たちの中に根付いた考え方の癖であり、その結果引き起こされる自滅的な行動パターンもまた、私たちの癖として私たちの中に染み付いているものです。

 例え、誤った考え方や行動パターンが自分の中にあることが理解できたからといって、それがすぐに改善されることはありません。

 よくネット上の広告などでアダルトチルドレンに関する問題でさえ「すぐに結果が出ます」と言ったような謳い文句を見ることがありますが、基本的にそういうことは無い、と私は考えています。

 長い期間をかけて根付いた癖は、それ相当の期間をもって改善していかなければ対処することは難しいです。

 この点について、

 

 7つの習慣ファミリー [ スティーブン・R・コヴィー]

 

には、

『竹は種を蒔くと最初の四年間は土のなかで根を張ります。表面は何事も起こっているように見えません。ところが五年目になると一気に二十五メートルも伸びるのです。人生はこの竹の成長に似たことがあります。』(p26)

とあるように、自分が変わった、と感じるまでには長い間じっと変化のない期間を忍耐する必要があります。

 魔法のような言葉も魔法のような方法もありません。しかしじっと忍耐し、自分を変える努力をし続ければ、いつか変わる時が来ると思っています。そしてそれは、特別な人にしかできない努力ではなく、誰にでも実現可能、再現可能な努力です。

 ですので、ひとつひとつ着実に、自分の行動と考え方を見つめなおし、それを地道に修正していく作業を続けていきましょう。

 

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