毒親に育てられた子供が幸せな家庭を築くまで

私はいわゆる毒親に育てられた子どもです。その影響から長い間辛い人生を歩んできました。けれど、そんな私も結婚し、負の連鎖を起こすことはしないと決意しました。現在では妻と長男と幸せな家庭を築いています。私の経験が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

【体験記】自助グループ『アダルト・チルドレン・アノニマス(ACA)』に参加してみた

アダルト・チルドレン自助グループに興味があるけれど勇気がなくて参加できない。」

 

自助グループがどんなものか知りたい。」

 

そういった方に向けて、今回私がアダルト・チルドレンの有名な自助グループである「アダルト・チルドレンアノニマス(ACA)」の定期ミーティングに初参加してきましたので、その体験談を書いてみたいと思います。

 

アダルト・チルドレンアノニマス(ACA)」でどのようなことが行われているのか、参加するためにはどうすればいいか、が分かるように書いていきたいと思います。

 

 

自助グループとは何か

 

皆さんは自助グループという言葉はご存知でしょうか。

 

メンタルヘルス関連の自助グループ(じじょグループ、Self Help Group)とは、なんらかの障害・困難や問題、悩みを抱えた人が同様な問題を抱えている個人や家族と共に当事者同士の自発的なつながりで結びついた集団。その問題の専門家の手にグループの運営を委ねず、あくまで当事者たちが独立しているというのが特徴的である。
その役割は、このかかわりの中で自ずから問題への取り組みの姿勢や理解の仕方の上で、自己変容的な成長が期待されること、また彼らを取り巻く地域社会との関わり方、受け入れられ方にも変化が出てくることなどがある。』(Wikipedia

 

つまり同じような悩みを抱える方の集まりで、お互いの問題を共有し、解決に向けて情報を共有し合うグループです。

 

アダルトチルドレンには「アダルト・チルドレンアノニマス(ACA)という自助グループがあります。

以前からどんなグループなのか気にはなっていましたが、今回当該グループのオンラインミーティングに初参加してみましたので、その体験談を書いていこうと思います。

 

もし、自分と同じような悩みを持つ仲間を作りたい、とか、自助グループに興味があるけれど勇気が出なくて参加できない、という方がいましたら参考にしていただけたら、と思います。

 

アダルト・チルドレンアノニマス(ACA)とは

アダルト・チルドレンアノニマス(ACA)のホームページによると、

ACA(アダルト・チルドレンアノニマス)は、子供の時期をアルコホリズムやその他の機能不全のある家庭で過ごした成人(=アダルト・チャイルド)の自助グループです。
わたしたちは、経験と力と希望を分かち合い、自分たちの共通の問題を解決するために、定期的にミーティングを開いています。

とあります。

 つまり、機能不全の家族で育ち、自分自身に問題を抱えてしまった人の集まりで、お互いの経験や知識を共有し、ともに解決していこう、という目的の団体です。

 主な活動としては定期ミーティングを行っているようです。

 

定期ミーティングとは

 アダルト・チルドレンアノニマスでは全国に約70から80のグループがあり、各々のグループが主催する定期ミーティングがあるようです。

 ミーティングにはオープン・ミーティングとクローズド・ミーティングがあります。

 オープン・ミーティングにはAC本人以外にも、家族、友人、ACの問題に関心を持つ方などが参加することが可能です。クローズド・ミーティングはAC本人だけが参加可能です。また、クローズド・ミーティングには女性専用ミーティングや男性専用ミーティングといった、特定の条件に当てはまる方のみ参加できるミーティングもあるようです。

 

ミーティングへの参加資格及び参加方法

 オープン・ミーティングには原則誰でも参加できますが、クローズド・ミーティングはAC本人に限定されています。ただ、特別自分がACであることを証明する必要はなく、自己申告ベースになってきますので、自分がACであると自覚する人であればクローズド・ミーティングへは参加可能なようです。

 ミーティングへの参加方法としては、アダルト・チルドレンアノニマスのホームページに掲載されている定期ミーティングへの会場へ直接行く方法(予約等は必要ないようです)と、オンラインで開催されているミーティングへ参加する方法があります。

 オンライン・ミーティングへの参加は、ホームページに掲載されているメールアドレス宛に参加したい旨の連絡をすると、運営事務局から参加URLが送られきます。

 ちなみに、私はクローズド・ミーティングのうち、オンラインで開催されるミーティングへ参加しました。ミーティングはZOOMで行われました。

 

ミーティング参加に当たっての注意事項

ミーティングの参加に当たって、運営事務局から下記の通り注意事項が送られてきました。

  1. 録画・録音・撮影いずれも禁止。
  2. ミーティング中のメモ・(Zoom参加用以外の)スマホ操作は禁止。
  3. ミーティングで会った人、分かち合われた内容については他言禁止。
  4. Zoomプロフィール(表示名)をニックネームにして参加する。
  5. ACA所属グループがあれば記入する。
  6. ミーティング中はビデオONでご参加ください。
  7. 個人間情報交換、トラブルについて、ACAは対応しない。
  8. ミーティング内外問わず(ミーティング、食事会、個人関係、勧誘、サービス活動、委員会) プライバシー情報(連絡網、名簿、連絡先交換、メールアドレス、LINE、その他SNS、住所、職種、家族構成、その他) については、各自で管理すること。

 他にも、事前にニックネームの送付が必要、とのことで、案内メールに返信する形で、自分のニックネームを送信しました。

 

ミーティングの概要

  • 開催時間 20:00〜21:30
  • 種類   クローズド・ミーティング
  • 方法   オンライン・ミーティング(ZOOMによる)
  • 参加人数 8人(ホストを含む)
  • 男女比率 男性4人、女性4人
  • 年齢層  おそらく20代〜50代まで

 

ミーティング内容

司会進行について

 ミーティングはまず、ホスト役(50代くらいの男性の方でした)と呼ばれるおそらくACAの運営事務局側の人間が1名おり、その方が司会進行をしてくれます。

 私は入室してからホスト役の方と少し雑談をしたのですが、穏やかな感じの男性の方でした。開催時間になるとその方がミーティングを進めてくれます。

 ちなみに、今回参加したのはホスト役の方を含めて全部で8名だったのですが、最初から参加したのは3名で、残りの方は後から入ってくる、というゆるい感じでした。

 

ACAパンフレットの読み合わせ

 開催時間になると、まず最初にACAが発行している「ミーティング・ハンドブック」というパンフレットの『前文』、『問題』、『解決』という部分を読み合わせしましょう、とのことで読み合わせが始まりました。

 ちなみに、『問題』部分はホームページに掲載されていたので引用します。

機能不全のある家庭で育ったことにより、わたしたちが共通して持っていると思われる特徴

  1. わたしたちは孤立し、人や権威を恐れるようになっていた。
  2. わたしたちは承認を追い求めるようになり、そうしているうちに自分が何であるか分からなくなっていた。
  3. わたしたちは人が怒っていたり、何であれ個人的な批判を耳にしたりすると怯えてしまう。
  4. わたしたちはアルコホーリクになったり、アルコホーリクと結婚したり(両方の場合もある)、あるいはワーカホリックなどの他の強迫的な問題を持つ人を見つけたりして、病んだ「見捨てられ欲求」をみたそうとする。
  5. わたしたちは人生を犠牲者の視点から生きていて、そういう弱さによって恋愛関係や友情関係で人にひきつけられる。
  6. わたしたちは行きすぎた責任感を持っていて、自分のことに気をつかうより他人の心配をする方が簡単にできる。そうすることで例えば、自分の欠点をよく見ないですむ。
  7. わたしたちは人のいいなりにならずに自分の意見を述べると罪悪感を感じる。
  8. わたしたちは刺激に嗜癖するようになっていた。
  9. わたしたちは愛を哀れみと取り違え、自分が “哀れみ” “救える” 人を “愛する” 傾向がある。
  10. わたしたちは悪夢のようだった子ども時代から感情を抑え込んできて、そうするとひどく傷つくので、自分の感情を感じることや表現することが出来なくなっていた(否認)。
  11. わたしたちは自分のことを厳しく裁き、自己評価が非常に低い。
  12. わたしたちはとても依存的になっていて、見捨てられることを怖れ、見捨てられる痛みの感情を経験しないですむように、人との関係が切れないようにするためになら、どんなことでもしようとするほどだ。その痛みの感情は、わたしたちにとって情緒的に不在だった病んだ人たちと、一緒に生きてきたことから受け取ったものだった。
  13. わたしたちは、自ら行動する人ではなく反応する人である。
    これは特徴を述べたものであって、非難ではない。 (ACAホームーページより)

 

 この辺り若干宗教色を感じなくもないですが、まあそんなものか、といった印象でした。読み合わせは大体10分くらいで終わりました。

(ちなみに、ミーティング・ハンドブックは直接ミーティング会場に行って受け取るか、ミーティングに参加したことがある人であれば運営事務局に問い合わせをすると郵送で送ってもらえるそうです。)

 

テーマの設定

 読み合わせが終わると今回のテーマを設定に移りました。

 ホスト役の方から何か話したいテーマはあるか、という質問があり、テーマを募集します。

 今回設定されたテーマは「家族、自分がACであることに気づいたきっかけ、執着、フリー」というものでした。

 ただ、テーマは設定したものの、別段テーマに沿って話す必要は無いようで、テーマを利用したければテーマに沿って話し、他に話したいことがある人は自由に話していい、ということでした。

 

ミーティングの様子

 テーマが設定された後は、1分間考える時間が与えられた後、ホスト役の方が話たい人がいるか募集します。

 立候補者がいればその人から話しますし、特にいなければホスト役の方が話す人を指名して、その人が話しをするという形式でした。ただ、話す内容が無かったり、話したくない、ということであればパスしてもいい、とのことでした。

 ちなみに、ホスト役の方は司会進行のみ行い、自らが体験談等を話すことはしません。

 今回参加したのはホスト役の方を除くと7名ですが、私以外立候補した人はおらず、全員ホスト役から指名されて、話しをはじめる、といった感じでした・・・。

 偏見かもしれませんが、ACの自助グループというのもあって消極的というか、受け身の人が多いのかな、という印象は持ちました。

 

話す時、聞く時のルール

 まず、話す時のルールですが、最初に自己紹介的なことをします。「ACの◯◯(ニックネーム)です」のように名乗ってから話をスタートします。

 若干戸惑ったのが、ニックネームを名乗ると参加者の全員が「◯◯さーん」と呼びかけてくれます。正直「ん?」という感じでした。ただ、呼びかけに答える必要もないようで、その後淡々と自分の話をすればいい感じでした。

 話す時間は自由だそうです。ただ後述しますが参加者からのリアクションや質問は一切無いため、一方的に話すのにも限界があり、10分話せれば長い方なんではないかと思います。

 聞くときのルールですが、上述したように話す人がニックネームを名乗ったら「◯◯さーん」と呼びかけるようです。ただ、私はこの感じになれなかったので呼びかけることができませんでしたが・・・。

 そして、話し手の話しは黙って聞くこと、話しに関して意見や批判、質問をすることは禁止されているようです。

 なので、話し手は一方的に話たいことを話して、聞き手はただ黙って聞いている、といった感じです。

 

話された内容

 参加者のことや発言内容について他言することは禁止されていますので、内容を書くことはできませんが、大体テーマに沿って話しをした人が半分、テーマ関係なく自分の今考えていることや感じていること、困っていることを話している人が半分、といった感じでした。

 私は全員に向けて自分のことを説明するのだ、と思っていたので、全体に向けて話しをした感じだったんですが、全体的な雰囲気を見ると、悩みや今考えていることを一方的に話している人が多かったイメージです。

 今回私が参加したミーティングではパスした人はいませんでしたが、別にパスしても全然問題無さそうな雰囲気でした。

 

ミーティング終了後

 全員が話し終わってちょうど良い時間になると、ホスト役の方が締めに入ります。

 締めには再度ミーティング・パンフレットの読み合わせがあります。そしてACAに関して疑問点などがあれば言ってくださいということで、質問の募集がありました。

 その後、ACAの各グループからのお知らせ(主に定期ミーティングに関すること)があり、最後に献金の募集がありました。

 ちなみに献金はしてもしなくても自由で、今回は会計係がいないとのことだったのでその場での募集はありませんでしたが、通常はミーティングの最後に献金の募集があるようです。

 一通りのお知らせが終わるとミーティング終了になりました。

 

体験してみた感想

 まだ一回しか参加していませんので、もっと継続して参加しなければ効果の程は分かりませんが、とりあえず参加してみた感想を書いてみようと思います。

 

参加者について

 詳細については他言禁止されていますので書くことができませんが、参加者を見て思ったのは当然のことなんですが、私と似たような境遇や考え方の人もいれば、違う問題を抱えている人もいるんだな、ということです。

 そして、似たような境遇の人の話は「ああ、なるほど」と感じるのですが、そうでは無い人の話はいまいちピンと来ない、というか、家庭環境が複雑すぎて想像できない、というか、そういった部分もありました。

 ただ、例えば自分の父親くらいの年齢の強面の男性の方が「高圧的な人が怖い」という話しを聞いたりすると、こういう人でも恐怖を感じているんだな、と自分の中の理解が深まるような部分もありました。

 

ミーティングについて

 上述しましたが、ミーティングは話し手が一方的に話すのを、聞き手がただ黙って聞く、という形式でした。

 思ったのは、個人的な体験を話して、それを嘆き悲しむプロセスをしている人が多いのかな、といった印象でした。

 個人的にはACの問題の解決に向けてもっと情報交換をしたい、という気持ちもありましたし、話し手が話す内容について聞きたいことも結構あったので、正直もっとコミュニケーションがとれるといいな、と思ったので物足りなかったです。

 そして、話しを聞くことについても、ほとんどの時間を他の参加者の話しをただ黙って聞くということに使っていましたので、退屈だった、というのが正直な感想です。

 

ミーティングの活用方法について

 ミーティングの活用方法についてですが、例えば自分の問題について、誰にも話すことができない人であるとか、話すことに慣れていない人が話す練習の場として使うのには良いのかもしれない、と思いました。

 様々な年齢や見た目の方が同じような体験を語ってくれますので、雰囲気的には話しやすいと思いますし、他の人が話している内容や、表現から自分が当てはまる言葉や話し方のヒントが見つかる可能性はあるな、と思いました。

 特にオンライン・ミーティングは敷居的には低い、と言いますか、人と直接対峙せずに話すことができますので、話す練習には良いと思います。オンライン・ミーティングで話す練習をして、慣れてきたら実際の会場に足を運んで話してみる、というのでも話す練習にはなると思います。

 個人的にこうできればいいな、と感じたのは、ミーティングの参加者の中に自分と合いそうだな、という人を見つけて、その人と知り合いになることです。

 個人間の情報交換は自己責任ということになっているので、何回もミーティングに参加して、できれば直接会場に足を運んで、自分が合うと思う人に話しかけにいって、信頼関係を気づいて個人的な関係作りをしていくのがいいかな、と思いました。

 そうすれば、同じような悩みを抱える友人ができますし、もっと自分にとって密度の濃い相談や情報交換をできるのではないか、と思いました。

 

全体的な感想

 ACの問題というのは人によって環境も問題も様々ですし、今回は初回の体験談でしたのでまだなんとも言えない感じですが、ひとまずミーティングに参加してみて思ったのは、情報交換をする訳でもないし、アドバイスをもらえる訳でもないので、積極的に問題に解決していこうという感じの集まりでは無かった、ということですね。

 なので、ここに参加して積極的に状況を良くしていきたい、とか、問題を解決したい、と思っているのであれば少し期待外れになってしまうかもしれません。

 この集まりに期待できることとしては、話す練習ができる、だとか、同じような境遇の人の話を聞ける、だとか、自分の行動次第では自分と似た環境や問題を抱える友達がでいる、と言ったところではないでしょうか。

 ただ、今回はまだ1回目でしたし、ミーティングにも色々と種類があるようですので、今後また他の集まりにも参加してみて感想であったり、自分の考え方の変化であったりをブログに綴っていければ、と思います。

 

 

にほんブログ村 家族ブログ 毒親へ
にほんブログ村