毒親のパターンを知る【アダルトチルドレン克服】
目次
毒になる親には幾つかのパターンがある
不幸にする親 人生を奪われる子供 [ ダン・ニューハース ]
によると、毒親は以下の8つのパターン、もしくはそのいくつかを備えていると述べられています。
<その1>かまいすぎて子供を窒息させる親(p58)
<その2>子どもの幸せを取り上げる親(p64)
<その3>完璧主義者の親(p70)
<その4>カルトのような親(p76)
<その5>支離滅裂な親(p81)
<その6>常に自分の都合が優先する親(p88)
<その7>身体的な虐待をする親(p97)
<その8>責任を果たせない親(p105)
このブログで全てを紹介することは著作権上難しいと思われますので、今回は私の親がどのような親であったかについて書きたいと思います。
私の親がどのようなタイプであったか
私の母親は「<その2>子どもの幸せを取り上げる親」でした、「不幸にする親」によると、このタイプの親は、
●機嫌を損ねると愛情を引っ込めてしまい、承認を与えなかったり口をきかないなどして子供をコントロールする。
●幸福や幸運はめったにないものだと思っている。
●愛情は子どもをコントロールするための道具だと思っている。
●子供を褒めたり、スキンシップを与えることがほとんどない。
●大きくなった子供には、「縁切りにする」とか「遺産は相続させない」などと脅して圧力をかける。(p64)
とあり、その結果子供には次のようなことが起きる可能性があると述べられています。
●自己不信が増す。
●抑うつ感がつのる。
●物事に対する期待感や自信が持てない。
●「自分は愛情に欠けていて、人からも愛されない」と感じる。
●人とつき合う能力の発達が遅れる。(p65)
私の母親は、私に「何もできない人間である」ことを求めました。
私が小学校の時、字がうまかった私が友達に字の書き方を教えていると、それが気に食わなかったらしく、友達が帰った後母親から「お前みたいに汚い字を書くやつは見たことがない」と言われました。
ずっと成績が悪かった私が努力して勉強をし、中学校の定期テストで上位10%以内の順位に入った時、母親は私に向かって「お前は頭が良くなったから私を馬鹿にしているんだろう」と言いました。
私が宗教を辞めたいと言った時、泣き叫びながら私を殴り「お前は進学させない」「ご飯を食べさせない」「一切金は出さない」と言いました。
母親にとって愛情とは子どもをコントールするための手段であったのです。その結果、私は本書で述べられているような精神的な弱さを抱えています。
母親から愛情を与えられたシーンは私の記憶にはあまりありませんが、例えば、母親のやっている宗教の件で父と母が言い争いをしていた時に母親の味方をした時などに褒められた記憶はぼんやりとあります。
なぜ毒親はそのような行動を取るのか
ここでひとつ、どのようなパターンの毒親に育てられたとしても、理解しておかなければならないことがあります。それは、なぜ彼らはそのような行動を取るのか、という点です。
私たち毒親に育てられた子どもは幼い頃親から酷い扱いを受け、親に対して激しい怒りを抱えています。では、なぜ彼らは私たちをそのように扱ったのでしょうか。
答えは明確です。それは、ほぼ間違いなく彼ら自身も毒親に育てられたからです。この点について、
では次のように述べられています。
『ここでひとつ忘れてならないのは、親にもまたその親がいるということだ。暖かくて愛情にあふれ、建設的な心をはぐくんでくれる親を持った子供が「毒になる親」になるということはない。つまり「毒になる親」というのは、その親もまた「毒になる親」だったのである。かくして、そこには「毒になる家系」とでも言えるものができあがってしまっている。(p176)
傷つけられた子供にとってあまり認めたくない真実かもしれませんが、親もまた毒親の被害者であったのです。
さらに本書では次のような言葉が載せられています。
『もしあなたの親が「毒になる親」だったとしても、その問題は彼らがはじめて作り出したものではないということを忘れてはならない。その前からずっと続いてきたネガティブな感情、ネガティブな家のルール、ネガティブな家族内部の人間関係、ネガティブな考え方などが何世代にもわたって伝わり、次々に積み上げられてきた結果なのである。この流れは、だれかがどこかで意識的に止めないかぎり途切れることがない。(p176)
この内容はとても重たいものです。私たちは単に親に傷つけられただけでなく、この「毒になる家系」なるシステムの中に組み込まれており、このネガティブな流れを止めるためには誰かが、意識的に止めなければこの連鎖は続いていく、ということです。
親もまた被害者であったことを理解すれば勇気が湧いてくる
ここで私個人の意見を述べさせていただくと、毒親が毒親になったパターンは2パターンあると考えていて、ひとつは本人が「毒になる家系」に組み込まれていると気付かずにそれを子供に引き継いだパターンであり、もうひとつは、「毒になる家系」の存在に気づいていたとしても連鎖を止められなかったパターンです。
あまり良い話ではありませんが、私は毒親との対決後、親に対する怒りが増幅してしまって何度か母親に怒りの電話をかけたことがあります。
どういう会話をしたかは忘れましたが、その中で母親が
「私だって良い家庭を築きたかった」
と言った一言が私の記憶の中に残っています。
つまり、母親なりに良い家庭を作ろうとしてもがいた結果があの私にとっては最悪な家庭だった、ということです。
だからと言って両親に対する怒りが無くなることはありませんが、それでも自分の母親もまた被害者であったのだろう、ということはなんとなく理解できるようになりました。
私自身もそうですし、このサイトをご覧になられている方々はきっと自分の親が「毒親」であることに気づき、自らの力で負の連鎖を止めたいと思っている方が多いのではないでしょうか。私の周りにも同じような方がたくさんいます。
けれど、この「毒親」問題に真剣に取り組めば取り組むほど、その連鎖を断ち切ることがどれだけ難しいことか私は実感しています。きっと、私のようにもがいても連鎖を断ち切れなかった方が大勢いるのではないかと考えています。それくらいこの鎖は重く、硬いものです。
私にもまだまだ変えなければならない部分がたくさんある、と自覚しています。けれども、毒親について学べば学ぶほど、「この連鎖はここで止めなければならない。例え私の人生の時間の大部分が犠牲になったとしても、この連鎖を自分の家族に持ち込んではならない、自分の子供に伝えてはならない」と強く思うのです。
私には私自身の力で変えた部分がたくさんあります。そのノウハウと、私が得た知識をこのサイトで共有し、少しでも同じ苦しみを抱える皆さまのお役に立てれば幸いと思っております。