克服するためのきっかけを掴もう【アダルトチルドレン克服】
「毒親の支配から抜け出したい、けれども努力が続かない。」
「今の自分を変えたい。でも、何のために頑張らなければいけないか分からない。」
このような状態に陥っていませんか。
自分を変えることはとても大変なことです。
どんなに現実が苦しくかったとしても、今の自分のままでいる、ということは実は楽なことです。
ただ漠然と「辛さから逃げ出したい」というモチベーションだけでは、きっと自分を変えることは困難でしょう。
かつての私がそうでした。
今回は私がどのように毒親の支配から抜け出すためのきっかけを掴んだかについて書いていきたいと思います。
- 苦しいにも関わらず、ダメな自分を変えることができなかった
- 習慣の引力について理解しよう
- きっかけは妻との出会いだった。
- 本当に欲しいものがある時、人は自分を変えることができる
- 新しい習慣を確立すると世界が変わる
- 自分の真に欲しいものときちんと向き合うこと
- 自分にとってのきっかけを掴もう
苦しいにも関わらず、ダメな自分を変えることができなかった
私は機能不全の家族で育ったため、良くない人間関係のパターンを持っていました。
社交的な場が苦手で、集団では孤独を感じ、心の底から友達と思える人ができず、周りと友好な関係を築くことができませんでした。
学校ではクラスに馴染むことができず、バイトをしても人間関係の弱さから怒られ続けていました。
辛い思いや嫌な思いをする度に、
「こんな自分を変えたい。」
「もっと周りから認められるようになりたい。」
と強く願っていました。
そして勉強をしたり、態度を変えて社交的に振る舞おうとしたり、様々な試みをしました。
けれど、そのほとんど全ては失敗に終わりました。
なぜでしょう。
例えば、仕事で怒られ続ける自分が嫌で、
「消極的だからいけないんだ。もっと積極的に話しかけて、明るく元気でいよう。」
そう思い立って実践したことがあります。
数日間はそのような態度で振る舞うことができます。
けれども、数日も経つとしんどくなってきます。
そして、このような考えが頭をよぎります。
「なぜ嫌な思いをしてまで頑張らなくてはいけないんだ。」
そんな疑問を抱えながらも、もうしばらく踏ん張り続けます。
そして、大抵こういったタイミングでまた嫌なことが起こります。
仕事で失敗したり、上司の逆鱗に触れたり。
すると、今まで溜め込んでいたストレスや不満が堰を切ったかのように頭の中に溢れ出します。
「結局努力したって何も変わらない。こんなことしたって意味がないじゃないか。」
こうして努力することを放棄し、また元の自分に戻ってしまいます。
習慣の引力について理解しよう
短期的に自分の振る舞いを変えることはできても、本質的な部分で自分を変える、ということはとても難しい作業です。
それはちょうど、一時的なダイエットに成功した方の多くがリバウンドを経験してしまうようなものです。
この点について、私が愛読している
7つの習慣 人格主義の回復 [ スティーブン・R・コヴィー]
には、次のように記されています。
『習慣は太い縄のようなものだ。毎日一本ずつ糸を撚り続けるうちに、断ち切れないほど強い縄になる』(p47)
『習慣の引力は非常に強い。ほとんどの人が考える以上の強さである。先送り、短気、批判、わがままなど、に人間の効果性を支える基本の原則に反する癖が根付いてしまっていたら、ちょっとやそっとの意志の力ではとても断ち切れない。生活を多少変えるだけで断ち切れるものではない。「リフトオフ」には並外れた努力が要る。』(p48)
つまり、急激なダイエットにより一時的に体型を変えることはできても、本質的な食習慣や運動習慣が変わらなければ、いずれ元の自分に戻ってしまう、ということです。
今現在の私たちという存在は、これまでの人生で培ってきた習慣によって形成されています。
例えば私の場合、機能不全の家族で育った17年間の習慣が一本一本縄のように撚られており、それが合わさって強力な縄、つまり強力な習慣として自分の中に根付いている、ということです。
その強力な習慣を断ち切るためには、思いつきで表面的な態度を変える程度では不十分であり、自分の本質的な部分にアプローチをかけていく必要があります。
きっかけは妻との出会いだった。
私は「苦しみから抜け出したい。」と切に願いながら、どうしても習慣の引力から抜け出すことができませんでした。
習慣を断ち切るだけの、強い意志と忍耐力が持てなかったからです。
そんな私に転機が訪れます。
それは、妻との出会いでした。
私は様々な偶然が重なり、運よく妻と付き合えることになります。
20代半ばの頃でした。
私にとって心の底から欲しいものが手に入った経験はこれが初めてでした。
この時人生で初めて
「この人だけは何があっても失いたくない。」
と思いました。
この強烈なモチベーションが後に自分を変えることに成功するきっかけとなりました。
本当に欲しいものがある時、人は自分を変えることができる
幸運にも妻と付き合えることになった私ですが、残念ながらドラマのように劇的に自分が変割ることはありませんでした。
しかし、一つ変わった点がありました。
それは、チャレンジしてうまくいかなかった時に、
「どれだけ失敗しても妻だけは諦めたくない。」
というマインドが働くようになったことです。
思い返してみると、過去の私は自分を鼓舞するものを持っていませんでした。
「どうせうまくいかない。もうどうでもいいや。」
こういった諦めの気持ちから努力することを放棄していました。
それが大切な人を失いたくない、という強いモチベーションによって踏ん張ることができるようになったのです。
その後、何度も何度もうまくいかない期間は続きました。
自分が変わるためには一体どれほどの月日がかかるのだろう、と絶望したことも数えきれないくらいありました。
こうした試行錯誤の末、3、4年の格闘の後、私は無事に妻と良好な関係を築くことに成功し、無事に結婚することができました。
新しい習慣を確立すると世界が変わる
悪い習慣の引力から抜け出すとどのようなことが起こるのか。
この点について
7つの習慣 人格主義の回復 [ スティーブン・R・コヴィー]
には、次のように記されています。
『引力からいったん脱出できれば、まったく新しい次元の自由を手にできるのである。』(p48)
例えば私は妻と良好な関係を築くため、自分を変える努力をし続けた結果、感情的にならず理論的に人と関わる術や人に対して肯定的な言葉かけをする習慣を身につけました。
このことは言うまでもなく私の人生において大きなプラスの影響を与えています。
例えば、良くない生活習慣から肥満体型になっている人が、良い生活習慣を身につけ標準体型を維持できるようになったとすると、それはただ単に体型の変化以上の恩恵があります。
良い生活習慣は集中力を向上させ、体調を良くし、ポジティブな感情でいる時間が長くなるでしょう。
それは人生にとって大いにプラスに働くものです。
それと同様の変化が私にも訪れました。
以前は人と良好な関係を築くことが難しかった私ですが、今では大抵の人とは良好な関係を維持することができます。
しかもそれは、特別な努力を必要とせず、自然な自分でいることで自然に人と関係を築くことができます。
自分の真に欲しいものときちんと向き合うこと
私はこの経験をきっかけに掴んだ一つの真実があります。
それは、
「本当に欲しいもののためであれば、人は変わることができる。」
ということです。
この時から私は自分の心と真剣に向き合うようになりました。
「私が本当に欲しいと願っているものは何か。」
「私が本当に仲良くなりたい人は誰か。」
「私が本当にしたいことは何か。」
思い返すと、毒親に否定され続けて育った私は本心に蓋をしてばかりでした。
例えば仲良くなりたいグループがあるのに、
「どうせ自分なんか入れてくれない。」
そう考えて、アプローチすることを諦めていました。
本当はバンドをしたかったのに、
「自分の柄ではない。」
そう考えて、特に好きでもないテニスを続けていました。
本心に従うことのパワーを知った私は、それ以降勇気を持って自分の心に従うことに決めました。
知り合いになりたい、と思った人には自分から積極的に声をかけるようにしました。
好きではなかったテニスは辞めて、バンド仲間を集めることにしました。
その結果、本当に友達になりたい人が私の周りに集まりはじめ、本当にしたいことが私の周りに増えはじめました。
自分にとってのきっかけを掴もう
私から皆さんにお伝えしたいことは
「自分の真に欲しいもの、したいことを大切にしよう。」
ということです。
私の場合きっかけは幸運にも転がり込んだことなので偉そうなことは言えませんが、それはとても大切なことだと今は思います。
何度も言いますが、自分を変えることは大変なことです。
そして悪い習慣を断ち切るためには、苦しみに耐えるためのモチベーションが必要です。
アダルトチルドレンは毒親に自分の大切なものを奪われることが習慣となっており、自分を犠牲にしてしまいがちだと思います。
自分を犠牲にし続けている間は幸せは訪れません。
どうかまず自分を大切にすることから初めていただければと思います。